ゴルフにおいて引き起こされるイップスとは?具体例と症状を解説

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ゴルフをされている方で、イップスに悩まされている方はいませんか?

ミリ単位のズレでミスにつながってしまうような繊細な感覚を要求されるスポーツなので、少しでも綻びが生じてしまうとスコアが大崩れしてしまうのは誰もが経験していることでしょう。そんなスポーツにおいてイップスを発症してしまうことは致命的であると言っても過言ではありません。

ゴルフにはドライバー、ユーティリティ、フェアウェイウッド、アイアン、ウェッジ、パターとクラブの種類が様々あり、クラブによって症状の出方が違ってくるので、イップスを治したい、予防したい方は症状の違いを理解しておくことが重要です。

この記事では、ゴルフにおけるイップスの症状を具体例とともに解説していきます。

ゴルフにおいて引き起こされるイップスとは?

イップスとは、今までできていた動作が何かしらの原因によって突然できなくなってしまう症状です。イップスという言葉はゴルフからきているものですが、ゴルフに限らず、様々なスポーツにおいて発症します。

ゴルフにおいては、動き出せなくなることでスイングができなくなってしまったり、思った方向にスイングすることができずにあらぬ方向に打ち出してしまったりしてしまうようになります。後に紹介しますが、一般のゴルファーのみならずプロゴルファーでも悩まされることもあり、イップスを克服することができずに競技人生が終わってしまう場合もあることが怖いところです。

ほんの数ミリのズレがとんでもないミスへとつながってしまうようなスポーツである以上、イップスになってしまうのを可能な限り避けたいところです。

イップスのクラブ別症状例

ゴルフには様々な種類のクラブがあるだけではなく、同じクラブにおいても様々な打ち方があります。

それ故に、症状も人によって様々です。

ゴルフのイップスで代表的なのは、ウェッジとパターのショットですが、他のクラブにリスクは無いということはありません。

ここからは、クラブ別にイップスの症状を見ていきましょう。

ドライバー

ドライバーは、飛距離がクラブの中で1番出るクラブなので、打ち出す方向を誤ったり狭いコースで曲げてしまったりするとOBになる可能性が高くなります。特にアマチュアゴルファーにとってドライバーはスライスとフックの温床で、1日にたくさんのボールをOBで失くしてしまう方が少なくありません。

その恐怖心からイップスを発症し、アドレス時に硬直してしまったり、インパクトの直前に余計な力が無意識に加わってしまったりするような症状が出てしまいます。これらの症状は他のクラブにも共通する症状です。

ドライバーはシャフトが1番長く、しなりも大きいために力みによるスイングのブレは致命的です。実際にプロゴルファーの中にもドライバーのイップスに苦しめられた例もあります。ホールの最初に打つクラブであり、単純に飛ばすことが好きだという方もたくさんいらっしゃるのでドライバーのイップスになることは避けたいものです。

フェアウェイウッド&ユーティリティ&アイアン

フェアウェイウッド、ユーティリティ、アイアンのイップスになってしまう人は、他のクラブより比較的少ないと言えますが、少なからず存在します。

ヘッドスピードをある程度必要とする、地面から直接打つというドライバーとウェッジの双方の難しいところの対応を求められるので、ミスの可能性が高くなります。

ウェッジやパターなどよりは、ショットの寛容性があるが故に、イップスに気づけていない場合も否定できません。プロ並みのレベルであればショットの正確性が段違いなため、自覚することも可能でしょう。

具体的な症状としては、ダフりの恐怖からくるアドレス時の緊張による硬直が代表的です。

長い距離を打つ以上、狭いコースでのOBや、バンカーに転がり込むリスクが大きいです。そのため、打つ直前に考え込んでしまったりすることでイップスを発症します。

ウェッジ

イップスになりやすいクラブの代表的な2本ウェッジと後述のパターです。

ウェッジはフルショットだけでなく、テイクバックを小さくして短い距離のアプローチや、バンカーショットなど様々な用途で使われます。

ドライバーやフェアウェイウッドなどの長い距離を打つクラブに比べて短い距離を打つ分、いかに狙った場所に打てるかの寛容度合いが少ないです。

また、アマチュアゴルファーにとって1番難しいクラブがウェッジと言われています。ロフトがあることによりリーディングエッジが刺さりやすくなるからです。プロでさえ、アプローチにパターやロングアイアンなどのロフトがたったクラブを使いたがるのでアマチュアにとってウェッジがどれほど難しいものなのかは想像に難くないでしょう。

ウェッジのイップスにはシャンクが治らないというのが代表的な症状の1つです。

シャンクしてしまうと狭いコースではOBもあり得ます。飛ばすクラブでのOBはまだ許容できるかもしれませんが、短い距離を打つクラブでOBを打ってしまうと精神的に辛いものがあります。

パター

ウェッジと並んでイップスになりやすいのがパターです。後で紹介しますが、あの有名な宮里藍選手もパターのイップスを発症してしまい、現役を退いています。

ドライバーで300ヤード以上飛ばせる能力があっても30センチ先のカップに入れるパットが打てなければスコアが出せないのがゴルフです。距離が長かろうが短かろうが同じ1打なので、各ホールのゴールと言えるカップに入れるパターが重要であることは言うまでもありません。

また、パターは初心者に誤解されがちですが、かなり難しいクラブです。まっすぐ打つということは字面では簡単に見えますが実際にやることは困難です。カップは108ミリと小さく、カップの端に打ってしまうと入りません。

傾斜や芝の生える向きなど様々な要因が絡んでくるために、パットには繊細なタッチが要求されます。

その繊細さからイップスになると、打つ瞬間に無意識に力が入ってしまったり、スイングの軌道が思うようにいかなかったりする症状が出てきます。

プロゴルファー達を苦しませたイップスの症状の具

イップスによって現役を引退することになってしまったプロゴルファーはたくさん存在します。

また、活躍しているプロゴルファーの中にもイップスの症状がありながら騙し騙しやっているという話もあります。

5番ウッドだけ症状が出てしまうなど、使えなくても代用ができるものであれば問題ありませんが、ドライバー、パターなど代用できないもので症状が出てしまうとスコアに直接響いてくるのでプロの世界で戦っていくのは難しいと言えるでしょう。また、テイクバック時に硬直してしまうなどのどのクラブにも共通して出てしまう症状を発症してしまっても厳しいです。

ここからは、プロゴルファーが実際に陥ってしまったイップスの症状を見ていきます。

宮里藍選手(パター)

日本で最も有名な女子プロゴルファーの1人である宮里藍選手も、自身の引退会見でパターがイップスであったことを告白しています。パターを得意にしていた宮里選手にとっては死活問題であったと言えます。

宮里選手が会見で、自分の次の目標を定める際に自分と向き合えなくなってしまい、考え込んでしまううちに得意なパターがイップスになったと語っています。パターが入らなければ絶対にスコアが出ないというのがゴルフというスポーツです。パターのイップスがどれほど怖いものなのかがお分かりいただけるかと思います。

湯原信光(パター)

湯原信光選手といえば、高いパーオン率からアイアンが上手いイメージが強いかと思います。そんなアイアンの名手もパターのイップスに陥ってしまいました。湯原選手は、プロデビュー後2年足らずで優勝し、賞金ランキングも5位と早くから頭角を現した選手です。

また、湯原選手は怪我をよくする選手でもあり、右ひざ痛・右ひじ痛・椎間板ヘルニアなど、試合を欠場するほどの怪我に悩まされていました。それに加えてパターのイップスも発症してしまったため、万全の状態で試合に臨むことがほぼ不可能になってしまったと言えます。

横田真一(パター)

横田真一選手もパターのイップスに悩まされた選手の1人です。優勝がかかったパットで短いパターに変えたところイップスを発症したと本人が語っています。ここまで紹介してきたように、パターのイップスは競技人生に大きな悪影響を与えます。しかし、横田選手の場合は、パターを短いものから長いものに変えることによって症状に対処することができました。

このように、人によってはイップスに対処・克服することが可能な場合もあります。横田選手の場合は、パターの種類を変えることによって対処しています。短いパターを使ってしまうと症状が発現してしまうと本人が語っているため、イップスを克服するまでは至っていまいようです。

丸山茂樹(ドライバー)

丸山茂樹選手はかれこれ10年以上にわたってドライバーのイップスに悩まされています。別名ティーグラウンドイップスとも呼ばれるドライバーのイップスは、一言に言っても様々な症状があります。

丸山選手にでてしまった症状は、ドライバーを打つときのみスイングの途中でノイズが走り、思わぬ方向にボールが飛んで行ってしまったと本人が語っています。

丸山選手自身の体の不調からドライバーが曲がり始め、悩んでいるうちにイップスになってしまったそうです。試合でもOBを打つことが他の選手と比べて多く、ドライバーをほとんど持たない日もあるなどイップスがプレーに影響を与えていることは明らかです。

西郷真央(ドライバー)

西郷真央選手もドライバーのイップスを発症した選手の1人です。

何が原因かは公言されていませんが、プロゴルファーが試合で35オーバーのスコアを出してしまい、ドライバーの狙いが定まっていない状態を見るとイップスで間違いないかと思われます。

21歳での優勝など早い時期から頭角を現してきている期待の新星なので復活を祈っています。

服部真夕(アプローチ)

服部真夕選手はアプローチのイップスに苦しめられている選手です。

プロテストにトップ合格を果たし、その後の試合でも好成績を収め順調な競技人生を歩んでいた矢先、アプローチが絶不調に陥り、結果が振るわなくなってしまいました。

そこで服部選手は、なんと普段とは逆の左でアプローチを打ち始めたのです。他のショットは右打ちのままですが、イップスの症状が出てしまうアプローチのみ左で打つことで、対処することに成功しました。

その試みが実を結び、試合で結果が出るようにもなりました。

逆手で打つというのは有効なイップスへの対処法と言えるのかもしれません。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回の記事ではプロゴルファーにおけるイップスの症状を取り上げました。

アマチュア・プロと実力関係なくイップスは発症します。あくまで筆者の経験上の話ですが、多くの生徒さんを持ってきた経験のあるレッスンプロの方は、アマチュアゴルファーのイップスの事例を複数見てきている場合が多いので、自分のコーチに1度聞いてみるのも良いかもしれません。